「葵……」


須和は無意識に彼女を強く抱きしめていた。
止めどなく溢れてくる愛おしい気持ちを、もう止めることができない。

一時は、活躍する彼女を素直にできない自分もいた。
自分の存在が葵にとって、小さくなっている気がして怖くもなっていた。
でもそれは、ただの自分の勘違いだったらしいーー。

葵はあの頃と変わらず、須和をずっと想い続けていたのだ。


「柾さん、私と結婚してください……」

「一生……一生大切にする。葵のことを、心から愛してるよ」

「私も、柾さんのことを愛してます」