独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

「あの、須和さんにお話ししたいことがあるのですが」

「話?」

会話が途切れたタイミングで、葵は切り出した。
お客さんが誰もいない今は、絶好のチャンスだ。
次に須和さんに会えるのはいつになるのか分からない。今だ、今言ってしまおうーー。

「あの、えっと……」

「?」

「……」

由紀子との約束は忘れて、もう自分には構わないでいいと。
忙しい須和さんに無理をしてお店に来てもらっているのが申し訳ないと……。


喉まで出かかっているのに、言葉が出ない。

(私……本当は言いたくないんだ。須和さんにお店に来てもらうのが嬉しくて。
私に言ってもらえたら、須和さんの肩の荷が絶対に下りるって、分かっているのに……)

なんてずるいんだろうーー。

黙り込んでしまった葵を見て、須和は小さく笑った。

「実は俺も、今日は葵ちゃんに折り入って話したいことがあったんだ」

(えっ……)

「須和さんも?」

「今日、仕事が終わったら食事でもどうかな?」