独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

自分の宿泊する部屋に葵を連れ込むや否や、須和は彼女の唇を塞いだ。
葵が逃げてしまわないように、しっかりと華奢な腰を抱き舌を絡ませ呼吸ごと奪う。

「はぁ、はぁ……柾さん」

(僕だけの葵……)

肩を震わせ、涙を浮かべるその甘い顔は、先ほど店頭で見た真面目な和菓子職人の面影はない。


(僕にしか見せない顔)



「手……」

ベッドに彼女を押し倒し、小さな手を握った須和は思わず呟いた。

常に道具を握ってるからなのか、葵の手にはまめが無数にあり、ところどころ火傷の痕がある。

日本にいるときにはなかったものだ。

「やっ、見ないでください……ごつごつしてて、汚いから」


葵はそう言って、須和の手から自分の手を抜きとった。

「……」

確かに葵は名声は手に入れつつあるし、注目を集めるようになった。

けれど、根本にある彼女は何も変わっていない。

夢に対してひたむきで、努力を惜しまない頑張り屋……。

この一年、彼女は一人でどれだけ大変な思いをしてきたのだろうか。

(僕は本当に……)

須和は無理やり葵の手を取ると、指先に優しく口づけを落とした。

「っ!?」

「葵の手は汚くない。この指先からあの美しいお菓子が産まれてるんだと思ったら……」

須和の熱い瞳に葵が見入っていると、ふいに赤い舌が彼女の指先を絡めとった。

「あ、やぁ……柾さん」

まるで見せつけるように、葵の指先を吸ったり舌先でなぞったりする。