独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

そんなある日……。


知り合いのシンガポール人に告白されたと葵は笑って須和に報告した。

『ふふっ、いつもジョークばっかりでよく分からないですよ、その人』

「……」

いてもたってもいられなくなった須和は、葵に伝えることも忘れてプライベートジェットを飛ばし、シンガポールの店に現れた。


「えっ、柾さん来てくれたんですか……!?」

久しぶりに再会した葵は、須和の顔を見るなり泣いて喜んだ。

「葵、また綺麗になったね」

「そうかなぁ……柾さんの方がかっこよくなってると思いますけど」


(いや、違うよ)

久しぶりに見る葵は、明らかに美しく変貌していた。

以前にも増して骨格がハッキリしとし『大人の女性』の顔に変わっている。

それに、自信をつけたからなのか笑顔に磨きがかかり、輝きを放っていたのだ。

(それに……)


誰だよ、あの男はーーー。

そう言わんばかりの、男たちの視線をひしひしと感じる。

一緒に働く店の社員、やってくる常連客、金持ちそうな富豪の息子……。

その視線が普通じゃない(・・・・・・)ことは明らかだった。


(僕は葵と離れて日本でいったい何をやってるんだ……?)



「柾さん……んっ」