独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

梨々香の言葉に、葵は唖然とした。

(なんでニッキーさんが?)

すると今まで黙っていた義則が口を開く。

「ニッキー、僕からも彼女を強く推薦する。
葵ちゃんのお父様と僕は昔からの知り合いでね。
彼はとても職人気質で曲がったことが嫌いな性格なんだ。
彼女もそれを受け継いでいて、とても信頼が置けるよ。どうかな?」

その言葉に、須和は思わず舌打ちをした。

「ああ、いいじゃないか。確かに見るからに真面目そうだ!
葵ちゃんに是非とも検討してもらおう。
なるべく返事は早い方がいいんだ。柾、彼女にそう伝えてくれないか」

ニッキーの陽気な物言いに、須和は力なく微笑む。
横にいた葵は、そっと須和のジャケットの裾を引っ張った。

「柾さん? 大丈夫ですか?」

「……ああ。心配かけてごめんね、あとでちゃんと説明するから」

「はい……」

(話が全然見えてこない。なんで私がニッキーさんにお世話をしてもらうことになってるの?)