独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

「ん? 君がミッシェルたちと会うとニッキーから聞いて、楽しそうだからお邪魔することにしただけだよ。あと梨々香と義則君もちょうど二人に会いたがってたから」

二人というのは、ミッシェルとニッキーのことだろう。

「親父と梨々香が?」

不信感を露にしながら、須和は義則と梨々香を眺める。

「柾ったらそんな怖い顔しないでよ。なかなか会えないから会いに来た。ただそれだけよ」

「そうだぞ。別にいいだろう。私たちがいたって」

「……」

それが全くよくないのだ。この二人は既に葵に危害を加え、須和との仲を裂こうとした前科がある。

ちなみに梨々香には、須和から葵と付き合っていることを伝えたばかりだった。
彼女も納得をしていた様子で安心していたが、まさか見せかけだったのか……?

「あの、葵さん」

「え?」

ふいに梨々香が申し訳なさそうな眼差しを葵に向ける。

「この前はあなたに酷いことを言ってしまって本当に悪かったわ。
もう大人げないことはしない。だから今日だけは、仲良くして頂けないかしら」

「梨々香さん……」