独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

「!」

その声に、明らかに須和の表情が険しくなる。
先ほど葵と一緒にエレベーターで乗り合わせた中肉中背の男性が、親し気に近寄ってきた。

「あはは、ビックリしたかな。実は事前にニッキーとミッシェルには合流することを伝えてたんだよ。君にはサプライズだ!」

「羽柴社長……」

須和がチラリと、ニッキーとミッシェルに視線を送ると、ふふっと楽しげに笑っている。
彼らは須和の事情など何も知らず、ただ楽しいだろうと賛同しただけだ。

(今羽柴社長って言った? もしかしてこの男の人は……)

葵が考えを巡らせていると、カツカツとヒールの音が聞こえてくる。

「もうパパったら、本当に柾のことが好きよね。
……あら。葵さんもここにいらしたの」

「梨々香さん……」

「今日はみんなで楽しい時間にしようじゃないか」

背後から義則の声が聞こえて、葵は顔が真っ青になった。

(今日はこの人たちも一緒なの?)


「……これは一体どういうことですか?」

隣に立つ須和は、にこやかに微笑んではいるが目が全く笑っていない。