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葵と須和はショッピングを楽しんだ後、映画を観に行き、食事をしたりしてデートを満喫した。

「じゃあそろそろ帰ろうか」

須和の一声に、葵は満足したように頷く。

(すっごく楽しかったな。こういう普通のデートを柾さんと出来て夢みたい)

葵のデートプランに、須和も全力で楽しんでくれた様子だ。
一日中会話が途切れることなく、笑顔が溢れる時間だった。より心の距離が近づいた気がする。



「……今日の記念に、葵に渡したいものがあるんだけど」

「え?」

須和は車に乗り込んで、出発する寸前で口を開いた。

「なんでしょうか……?」