「由紀子さん、今日は顔色が良くて安心したよ。
本当は顔を見てすぐ出る予定だったけど、少しお邪魔していいかな?」
「ええ、もちろんよ。来てくれてありがとう」
「よかった」
須和は由紀子の隣に腰かけると、彼女の膝の上に置かれた菓子箱に真っ先に目を奪われた。
「この和菓子は何?」
「今日葵が作って来てくれたの。綺麗でしょう」
「葵ちゃんが……」
須和は由紀子から菓子箱を受け取り、中に入った練り切りをじっくりと眺める。
「本当によくできてるね。彼女はおじさんと違って、繊細なものを作るんだ」
「……そう、葵は小さい頃から手先が器用で細かい作業が得意なのよね。
それに、考えるデザインがどれも美しくて」
「うん、いいものを持っているね」
須和が今まで見てきた葵の姿は、どれも普通の女子高校生……むしろ、初心で実年齢よりも子供っぽい印象があった。それが、一度和菓子を作るとなるとここまで美しく仕上げてくるとは。
彼女の職人としての一面に、須和は心底驚いた。
本当は顔を見てすぐ出る予定だったけど、少しお邪魔していいかな?」
「ええ、もちろんよ。来てくれてありがとう」
「よかった」
須和は由紀子の隣に腰かけると、彼女の膝の上に置かれた菓子箱に真っ先に目を奪われた。
「この和菓子は何?」
「今日葵が作って来てくれたの。綺麗でしょう」
「葵ちゃんが……」
須和は由紀子から菓子箱を受け取り、中に入った練り切りをじっくりと眺める。
「本当によくできてるね。彼女はおじさんと違って、繊細なものを作るんだ」
「……そう、葵は小さい頃から手先が器用で細かい作業が得意なのよね。
それに、考えるデザインがどれも美しくて」
「うん、いいものを持っているね」
須和が今まで見てきた葵の姿は、どれも普通の女子高校生……むしろ、初心で実年齢よりも子供っぽい印象があった。それが、一度和菓子を作るとなるとここまで美しく仕上げてくるとは。
彼女の職人としての一面に、須和は心底驚いた。

