葵と須和は早速SUWAビルの隣にある、テナント施設『B.J』に足を運んだ。
「……日本の古き良き文化を世界に発信する施設」
葵は入ってすぐ、受付のお姉さんにパンフレットを貰い、熟読する。
そのコンセプトの通り、辺りを見渡すと日本を代表するような名だたる和食料理店や、有名呉服店、宝石店などが連なっていて、館内は洗練された雰囲気が漂っていた。
「すごく大人な感じで、かっこいいですね」
「ありがとう、お陰様で観光客にも沢山足を運んでもらっているよ。……じゃあ、行こうか」
「はい……!」
須和に手を引かれて、葵は慌わてて彼の隣を歩き出した。
お店の前を通ると、店員さんが顔を上げて須和に会釈をする。
『……嘘、社長の彼女って梨々香さんだって噂で聞いてたけど』
『でも手を繋いでたってことは本命だよね……?』
『はぁ~ショックだな~』
内緒話が遠くで聞こえてきて、葵の胸がチクッと痛む。
その後も、須和の社員の人にすれ違ったりして、みんな二人の関係に興味深々といった感じだった。当の須和は何とも思っていないようだが。
(あとで梨々香さんのこと、ちゃんと聞かなくちゃ)
「……日本の古き良き文化を世界に発信する施設」
葵は入ってすぐ、受付のお姉さんにパンフレットを貰い、熟読する。
そのコンセプトの通り、辺りを見渡すと日本を代表するような名だたる和食料理店や、有名呉服店、宝石店などが連なっていて、館内は洗練された雰囲気が漂っていた。
「すごく大人な感じで、かっこいいですね」
「ありがとう、お陰様で観光客にも沢山足を運んでもらっているよ。……じゃあ、行こうか」
「はい……!」
須和に手を引かれて、葵は慌わてて彼の隣を歩き出した。
お店の前を通ると、店員さんが顔を上げて須和に会釈をする。
『……嘘、社長の彼女って梨々香さんだって噂で聞いてたけど』
『でも手を繋いでたってことは本命だよね……?』
『はぁ~ショックだな~』
内緒話が遠くで聞こえてきて、葵の胸がチクッと痛む。
その後も、須和の社員の人にすれ違ったりして、みんな二人の関係に興味深々といった感じだった。当の須和は何とも思っていないようだが。
(あとで梨々香さんのこと、ちゃんと聞かなくちゃ)

