「俺がいなくなっても、他の奴と楽しくやれよ」
「わかった…」
今の俺にはそう言う事しかできなかった。
本当は他の男と楽しくなんてしてほしくない…
でも俺の勝手な思いで桃に迷惑をかけることはもっとしたくない。
___今となっても、あの時の俺の選択が正解かは分からない。
でもあの時の俺はとにかく必死だった。
「倫也ちゃんと向こうでお友達作るんだよー?」
「わかったって、」
俺が出ていく前の日、桃は俺にそう言った。
「新しい学校には可愛い女の子いっぱいいるかもねー!」
ばか…。
俺がお前以外可愛いと思うわけねえのに…。
