「本気だから最後に伝えたかった」
「……」
俺は何も言えなかった。
その言葉が告白の信ぴょう性をより裏付ける。
そんな夢みたいなことあるかよ…
桃も俺のことをただの友達以上に、ましてや恋愛感情を抱いてくれてたなんて。
少し前の俺なら返事を即答できたはずだ。
"少し前の俺"なら…
俺はもう2日後にはここを出る。
ここで俺も好きだって言ったとこで桃はどうなる?
頻繁に会える訳でもない…
そんなのただ悲しくさせるだけじゃねえか?
もし俺がいなくなったとしても、桃には北園みたいに想ってくれる奴がいる。
俺に告白したということはきっと北園を断ったってことだ。
でもこの先2人が実ることだってあるだろう。
桃が幸せになるならそれでいい……
「桃」
「うん」
「ごめん… 俺は桃をそう思ってない」
「……そっか、」
桃の声は今にも消え入りそうだった。
