5年越しでも俺の気持ちは変わらない




「本気だから最後に伝えたかった」


「……」


俺は何も言えなかった。



その言葉が告白の信ぴょう性をより裏付ける。


そんな夢みたいなことあるかよ…

桃も俺のことをただの友達以上に、ましてや恋愛感情を抱いてくれてたなんて。



少し前の俺なら返事を即答できたはずだ。


"少し前の俺"なら…



俺はもう2日後にはここを出る。


ここで俺も好きだって言ったとこで桃はどうなる?



頻繁に会える訳でもない…

そんなのただ悲しくさせるだけじゃねえか?




もし俺がいなくなったとしても、桃には北園みたいに想ってくれる奴がいる。



俺に告白したということはきっと北園を断ったってことだ。


でもこの先2人が実ることだってあるだろう。




桃が幸せになるならそれでいい……





「桃」


「うん」



「ごめん… 俺は桃をそう思ってない」


「……そっか、」


桃の声は今にも消え入りそうだった。