5年越しでも俺の気持ちは変わらない




ドアの前まで来たとき、中から声が聞こえてきた。



「鶴浜」

「どうしたの?」


鶴浜… 桃のことだ。

相手の声は…北園か…?


桃がまだ残ってたのは良かったが、北園までいるとは思わなかった。



まあここで少し待ってからでも一緒に帰れるか。


そう思い、俺はドアの前で待つことにした。





「あのな…」

「うん」



「俺、鶴浜のこと好きなんだ」



……


俺は何も考えられなくなった。


北園が、桃を、好き?

そんなことってあるかよ…。



北園は俺なんかよりかっこよくて何でもできる。


最近は桃と話してるところを見かけることも多くあった。



それも全部こういうことだったのか…


なんでなんだよ…




桃は今までだってモテてなかったわけじゃない。


昔からあいつはクラスでも飛び抜けて可愛かった。

俺がひいきしてるとかじゃなくて、