ドアの前まで来たとき、中から声が聞こえてきた。
「鶴浜」
「どうしたの?」
鶴浜… 桃のことだ。
相手の声は…北園か…?
桃がまだ残ってたのは良かったが、北園までいるとは思わなかった。
まあここで少し待ってからでも一緒に帰れるか。
そう思い、俺はドアの前で待つことにした。
「あのな…」
「うん」
「俺、鶴浜のこと好きなんだ」
……
俺は何も考えられなくなった。
北園が、桃を、好き?
そんなことってあるかよ…。
北園は俺なんかよりかっこよくて何でもできる。
最近は桃と話してるところを見かけることも多くあった。
それも全部こういうことだったのか…
なんでなんだよ…
桃は今までだってモテてなかったわけじゃない。
昔からあいつはクラスでも飛び抜けて可愛かった。
俺がひいきしてるとかじゃなくて、
