「まだだけどそんな気使わなくていい」
「じゃあ食べて!
私はそうして欲しいの!」
このままじゃ気が済まない!
すると私の強い思いが伝わったのか、わかったよ、と言いながら引き返してくれた。
「ごめん、まだちょっとダンボールとか残ってるけどそこら辺に座ってて」
「んっ」
部屋の中へと倫也を案内してから私は台所に立つ。
ただでさえここに慣れてないのに、部屋に誰かがいるのはなおさら違和感あるかも。
不意に倫也へと目を向けると彼はテーブルの上を眺めてる様子。
よく見るとテーブルの上には私が載ってる最新号の雑誌。
そういえばなぎちゃんが置いていったんだ。
「それ一応私なんだよ
びっくりした?」
「いや知ってた お前がモデルだって」
「へ、そうなの?」
まさか知ってくれているとは思わず間抜けな声が出る。
「男子の俺でも名前は結構聞く」
そうなんだ…。
