「学校の寮…」
それを聞くと倫也は私の少し前を歩く。
手首を掴んだまま…
「あの、ありがとうね」
「んっ」
あ、返事してくれた
前は見たままだけど。
でもなんか懐かしいな…。
こうやって2人で歩く感じ。
前は結構こうやって二人で帰ってたね,
なんでもない他愛のないことを話しながら。
まさかまたこうやって歩く日が来るなんて思いもしなかったけど…。
「…着いた」
「あ、ほんとだ」
気づくとそこは寮の敷地内。
会話はなかったけどなぜかあっという間だった。
「私の部屋ここ」
寮の1番手前で立ち止まる。
これでもう当分倫也と話すことはないのかな、とか思ったりして、
