もう片方の腕を強く…,
いや、
優しく包み込むように掴まれた。
「悪いけど俺の連れだから」
……倫也?
なんでここにいいるの…。
まともに話してすらくれなかったのに。
「男いんのかよ…
でもごめんね、この子俺たちに貸して」
男の人に掴まれていた方の手が引かれる。
でもそれより強い力で倫也の方に引き寄せられる。
「お前らモテないからって高校生に手出すとか落ちこぼれてんな」
「…っ!!」
「おい行こうぜ!」
イラついた様子の男の人たちはそそくさと去っていた。
「…なんで、?」
「……」
倫也はそれに答えようとしない。
なんで何も言わないの?
「行くのどっち?」
私の問いかけには答えなかったのに…。
