俺は後ろから抱きつかれていた手をほどいて桃の方へと体を向ける。


ほんとに寂しそうな顔すんなよ…




「だからって…」



"ギュッ"



おい待てって…

そんなのありかよ、、


前から抱きつかれる方がよっぽどやべぇんだけど…


俺の胸のあたりに桃の顔が密着してる。


ほんのりシャンプーの良い香りが漂ってくる。

って、俺変態じゃねぇかよ、



今の顔は誰にも見られるわけにはいかねぇ。


こんなだらしねぇ顔見せられるかつうの。





「まだ、はなれたくない…
倫也のからだね、すごいおちつく」



だめだ、俺。


一個一個真に受けんな。


こいつは酔ってんだ。酔っぱらいだ。

意志を持ってしてるわけじゃねぇ。


だから俺もそんなに意識するな。



そう自分に言い聞かせてたら、桃がいきなり顔を上げた。