「ちょっと俺水貰ってくるから」


短時間とはいえここに1人で残して大丈夫なのかとも思ったけど、だいぶ桃も落ち着いてきたみてぇだし。

少しぐらい大丈夫だろ。


そう思って俺は立ち上がった。





「まって…っ」



"ギュッ…"




は…?

今どういう状況なんだ…?


誰かに説明してもらわないと上手く把握できない。



会場に行こうとしてた俺の背後から抱きついてきたのは


間違いなく桃だよな…?



あまりの衝撃で声すら発することができなかった。


状況を理解するのにどれだけかかっただろうか。

とにかくすげぇ時間が長く感じた。



桃はその状態からピクリとも動かない。




「お、おい… き、急にどうしただよ…っ」


「今は倫也と離れたくない」


はぁ…もう…。

まじで調子が狂う。


なんで簡単にそういうこと言うかな…。