1人でブツブツ文句を言いながらやるべきことを終わらせていく。

すると、ふと

「七瀬さん?」

と声が聞こえてきた。

とりあえず、アタシの名前が呼ばれたので振り返る。

「1人?他の当番は帰っちゃったの?」

そこには、そう声をかけてくる男子がいた。

……冴木(さえき)?

冴木は、町を1人で歩いていたら男だと気づかれず、ナンパされまくるだとか、

服屋でおすすめの服を聞いたら女物の服が帰ってきただとかいう、とんでもない逸話を持つ男子だ。

「えっと、て、手伝おうか?」

え?

手伝ってくれるの?

それなら、お言葉に甘えて。

「じゃあ、そこら辺のゴミ集めといて」

「わかった!任せて!」

冴木は、アタシより10cmも小さい体を一生懸命動かしてゴミを集めている。

その姿を見て、カワイイと思う自分がいた。