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「順調に売れてよかったですね」
「うん。ありがとう」
沢山売れ残ったら、最終日には愛車の軽トラックで出直さなければと思ったけれどその心配はない。
売り上げは順調で、五日目にして目標はクリアすることができた。
用意した作品の半分以上売れればいいなという、低めの目標だったこともある。
おまけに残ったカップとご飯茶碗はお店で買い取ってくれることになったので、柚希はホッと胸をなでおろしていた。
指折り数え、明日は個展の最終日。
――明日なんだよなぁ。
冬木陶苑で倒れたあの日。
ベリーヒルズを出てこの店に戻った時には、既に夕方の六時になっていた。
心配して待っていたマルちゃんには、無難なことだけを報告した。
『陶苑の見学に夢中になってしまって、ごめんね。隣接するカフェでご馳走になったの。そこで私の器を使ってくれるんだって。評判が良かったら、今後も使ってもらえるかもしれないんだ』



