お洒落さんは、その人に似合うものをちゃんと選んでくれるのだ。このワンピースなら、益子の山を歩いていても違和感ないだろう。

――すごいよ、マルちゃん!

「どう?」
うきうきしながら、早速見せると。

「うん。まあ、恥ずかしくない程度には大丈夫でしょう」
マルちゃんはさらりと厳しいことを言う。

「柚希さん、とりあえずスタイルはいいし、全然焼けてないから色白だし。まぁなんとか。あ、ちょっと後ろ向いてください。髪なんとかしましょう」

「は、はい」

「ゆるく編んでおきますね」
そう言いながらマルちゃんは、柚希の伸ばしっぱなしの髪を手早くまとめていく。

そして、胸元にお花のコサージュを付けてくれた。

「はい。このブローチは貸してあげます」

「え、いいの? ありがとう」

「がんばってゲットしてきてくださいよ! パトロン」



***


というわけで、やってきたベリーヒルズ。

――ひゃあ、なんだかすごいなぁ。

道行く人を眺めれば、確かにみんなお洒落だ。