それがまさか、ここまであからさまに妻を溺愛をするとは。

まぁ、何よりだと思う。
冬木陶苑にとっても、彼が夫婦円満で困ることなど何もないのだから。

――ただ。

本当にこのまま和葵を取り巻く彼女たちの誰もがおとなしく、彼の妻を受け入れるだろうか。

そんな一抹の不安が、夏目の微笑みに影を落とした。