「お前は本当に疫病神だな!!お前の人生は呪われているとしか言いようがない!!我々からは嫌われ、親を殺され、アメリカではついにその手を血で染めた!!この人殺しが!!」

ドクン、と圭介の心臓が嫌な音を立てる。人殺しとはどういうことなんだ?蘭の過去に何があったんだ?疑問がぐるぐると渦巻いていく。

「お前もあの時死ねばよかったんだ。そう、お前と同じように役に立たない出来損ないの星夜と一緒にな!」

そう義彦が言った刹那、蘭の表情が変化する。無表情だったその目に怒りが生まれ、義彦の手を捻り上げていた。

「イテテテテテ!!」

義彦はその場に膝をつき、蘭は怒りをあらわにしながら言う。

「私のことは、何と呼んでいただいても構いません。ですが、星夜さんを悪く言うのであれば、私は誰であっても容赦いたしません!」

「この化け物が!!」

蘭が手を離すと、義彦は悪態をつきながら走り去っていく。圭介がそれをぼんやり眺めていると、蘭がゆっくりと圭介の前に立った。