「三国家の方々は自分の家を誇りに思っています。そのため、他人の家を見下すことがあります。また、男尊女卑や職業差別も行う家ですのでお気をつけください」

「えっ、マジ?」

アーサーの言葉に蘭は頷き、会議室を出る。その刹那についたため息はとても重いものだった。



それから数日、世界法医学研究所ではゼルダたちが理央の死について事故なのか他殺なのかを知るために調べてもらっている。蘭は他の仕事をこなし、三国家のことはあまり考えないようにしていた。三国家のことを考えると、隠している感情全てがあふれそうな気がして怖いのだ。

「ああ〜、もう!!ムカつく〜!!」

世界法医学研究所に聞き込みから帰ってきた刹那、ゼルダがそう言い机を思い切り叩く。そして引き出しの中からチョコレートを出して食べ始めた。

「な、何があったんですか?まあ想像はつきますけど……」

圭介が苦笑しながら訊ねると、ゼルダが「ありえないんですけど!聞いてよ〜!!」と圭介に愚痴を言い始める。蘭も仕事の手を止め、ゼルダの方を見た。