あっちゃんとの日々を、ずっと思い出していたその時。
ベンチの隅の反対側に、すとん、と誰かが座る。
ほんの一瞬だけ、あっちゃんかと思ってしまったけど、スカートの裾とローファーが目に入って、すぐに女の子だと分かる。
あたしはちらりと目だけで横を見る。
背すじのまっすぐ伸びた、ショートカットの女の子。
ちょっと幼げなその姿は、どこかで見たことあるような、ないような、でもうちの制服。
こんな時間に、こんな場所にいる。あたしと同じ。
あっちゃんなわけ、ないよな。
だってもういないんだから。
どこに行けばあっちゃんにもう一度会えるんだろう。どんな痛い思いを、どんな怖い思いをすれば、あっちゃんのところに行けるんだろう。
「私ずっとあなたになりたかったです」
その子はこっちを向くこともなく、まっすぐ前を見つめて言った。

