全身が飛び跳ねるようにびくついた。 すぐそこに先輩が、いる。 「先輩……」 茶色くてふわふわの前髪から、大きな瞳が優しく細まる。 胸の底から勢いを持ってこみあげてくる熱が堰を切ったように全身を震わせ、顔を溶かすみたいに全て、涙になる。 どうしてこんなにつらいのか。 どうしてこんなに苦しいのか。 分かっていた、本当は。 私は何もしてないからだ。 先輩の瞳に映りたい。先輩の隣を歩きたい。 先輩に名前を呼ばれたい。先輩に、想いを伝えたい。 それなのに私はいつだって、ただ見ているだけだった。