その日、先輩がまた私の世界からいなくなった。
置いて行かれるのは、これで二度目だ。


お風呂上がりに髪を乾かす時、宿題をやめて机に突っ伏した時、冷たいベッドに身を沈める時。

先輩、とその都度声に出してみたけれど、何も起こらない。

しんとした現実が私を襲い、一日中ずっと暗い海の底にいるみたいだった。


君はどこにいる。探しに行かないと。
じっと体を丸く固めて、耐えるように朝が来るのを待った。

長い、長い夜だった。