だらんと下げた右の指先から血がしたたっていた、気がした。気がしただけだった。 相手を刺した血なのか、相手に刺された血なのか。そんな自分を部屋の窓から見ていた、気がした。 気がしただけだった。 新しい朝が来た。希望の朝だ。 そんな歌が高い空に響いているような気がした。 希望なんてない。誰もいない街。 君はどこにいる。