「真帆、前なんか変なこと言ってたし、あれからもうすぐ一週間経つし、僕心配してたんだよ」 「変なことって?」 「ほら、朝起きたら先輩が部屋にいたとか」 「……。」 「先輩ってあの、去年の年末に亡くなった、あの人でしょ」 私は何も言わず、あっくんのことを上目遣いで睨みつける。 何も見ていないくせに。何も見てないのは、何も知らないのと一緒なんだよ。 私は今までも、そして今も、ずっと見てきているんだから。