あの日、君はさ、傘を届けようとしていたんでしょ。 角のスーパーで傘を二本買って、駅まで歩いて行ったのを見たの。 そしたら駅には大勢の人だかりが出来ていて、駅員の走り書きで「豪雨のため運休中」って張り紙が出されてた。 君は慌てて学校へ引き返して、置いたままにしようとしていた自転車に飛び乗ったよね。 買ったばかりの傘を一つ開いて、もう一つを自転車の後輪に固定して。 君のことは何だって分かる。 だってずっと見ていたんだから。