私は顔を上げて先輩の胸に顎をつけ微笑んだ。 「C駅のコンビニでアイス買って帰ろう。前みたいに、半分こしようよ。前はさ、肉まんだったよね。でももうこの時期きっと肉まん無いから、ね」 春の朝は誰にも平等にそれぞれの絶望を連れてくる。 フェンスの網目のように均一の大きさの絶望を。 ただそれを受け止める力が、ある人とない人がいるというだけ。 私にはこうして先輩がいるから、だから大丈夫、受け止められる。