「先輩、あの時、指震えてたからね」 私は笑って、また先輩の人差し指をゆっくり撫でる。 大丈夫、先輩はちゃんとここにいる。 どうか明日も明後日も、私のそばにいて。 何の願いも叶わなかったんだから、神様、たったひとつだけお願いを聞いて。