白い朝だった。目覚めると隣で君が眠っていた。


「先輩……?」


君は目をこする。ぱっちりと開いた君の目はアーモンドみたいなかたち。


「どうして……?」


私は寝転んだままその頬に触れた。たしかに熱を帯びて、透き通らない。


君はふっと微笑んで、何も言わず、また目を閉じた。


「――夢じゃない」


君がここにいる。


視界の手前で睫毛が震えて、涙が枕に伝った。

おかえりなさい。待っていたんだよ。
わたしずっと待っていたんだよ。






柔らかな君の髪を、カーテンの隙間から差す朝の光が栗色にする。

わたしはやわらかいシーツを掻くようにして君に体を寄せ、肩まで布団をかぶった。