「森口さーん」

「はーい」

利用者さんの山口さんに呼ばれて、私は振り返る。

山口さんの話を聞いて、山口さんがどこかに消えていくのを見届けた後、私は「私は、森口さんじゃないんだけど……」と呟いた。



3、しっかりした利用者さんに、名前を間違われる。