何度言っても無駄なようで。いっこうに手をどかさないナンパやろう。

君を見ると今頃になってやっと気づいた。手が震えていることに。

…やっぱり、助けよう。

立ち上がり、近づいて、

「ねぇ。迷惑がってんの気づかない?さっさとどっか消えろよ。じゃま。」

と、言ってやった。男どもは怒ったように顔を真っ赤にしたが、もうひと睨みしてやるとしっぽをまいて逃げ出していった。

「…ざまぁ、みろ。」

小さく呟くと、後ろから声をかけられた。

「あの!さっきはありがとうございました!」

助けた女…ではなく、君が声をかけてきた。

「まぁ、当然のことをしたまでだから。」

「それでも!ありがとうございました。」

2度も感謝をされるとなんてゆーか恥ずかしい…