アイツの溺愛には敵わない


その後、部室に戻るという高塚くんと教室の前で別れて、家に帰って来た私。


課題をやるために机に向かうと、スクバの中からチョコレートを取り出した。


せっかく貰ったんだし、食べてみようかな。


勉強前の糖分補給ということで。


包み紙を開くと美味しそうなチョコレートが顔を覗かせた。


「いただきます」


口の中に入れると、カカオの香りがフワリと広がる。


滑かなな口溶けで、程よい甘さのミルクチョコレート。


めちゃくちゃ美味しい…。


思わず顔が綻んだ。


一気に全部食べちゃうのは勿体ない気がするし、残りの二つは課題を終わらせた後のご褒美にしよう。


その方が勉強のモチベーションが上がるし。


机の端にチョコレートを置くと、数学のテキストとノートを開く。


順調に課題を進めていた時、部屋のドアをノックする音が響いた。


「はーちゃん、ちょっといい?」


「……っ…」


なんで颯己の声を聞いただけで、心臓が跳ねるのよ。


アイツが私の部屋にやって来るのは日常茶飯事じゃん。


別に驚くことじゃないでしょ。


自分の胸をポンポンと撫でた後、部屋のドアを開けた。