アイツの溺愛には敵わない


「それよりも、はーちゃんの警戒心が欠如してることの方が大問題」


「は?」


私の話と繋がってないんですけど。


首を傾げると颯己はため息をこぼした。


「今朝、高塚に糸くずをとってもらおうとしてたでしょ?」


「それが何だって言うのよ。高塚くんは、私が手間取ってたから代わりに……」


「考え方が甘いな、はーちゃんは」


そこまで言った時、腕を掴まれて颯己の傍に引き寄せられる。


驚いて顔を見上げると、颯己は自分のおでこを私のおでこにピタリとくっつけた。



「男相手に、安易に触らせようとしちゃダメだよ」



至近距離にある颯己の漆黒の双眸に吸い込まれそう。


優しい口調に対して眼差しは真剣で。


今まで見たことない颯己の雰囲気に戸惑ってしまった。


「はーちゃん、俺の話ちゃんと聞いてる?」


「きっ、聞いてるわよ!話が終わったなら早く離れて!」


胸板を押すと、颯己は私からゆっくりと離れた。