アイツの溺愛には敵わない


「下手な盛りつけ方だな~とか思ってるんでしょ?」


「違うよ。はーちゃんと一緒に料理できて楽しいな…と思ってさ」


淡々と料理の手伝いをしているだけで、面白い話なんて何一つしていないのに?


でも、颯己…本当に楽しそう。


鼻歌まじりで料理してるし。


「ねぇ、颯己」


「なに?」


「家ではニコニコしてるくせに、なんで学校では無愛想なの?」


「無愛想かな?俺的には普通だけど」


「特に女の子たちに対する態度が冷たいじゃん。颯己が笑顔で接したら、みんな喜ぶと思うけどな」


「何とも思ってない人たちに愛想振る舞う必要ないでしょ」


表情は穏やかなのに、声のトーンが低い。


そんなに女子が苦手なのか…。


「でも、雰囲気は少し柔らかくした方がいいんじゃない?今日なんて、颯己がピリピリしてたから女の子たちが話しかけられなかったみたいだよ?」


「周りに集られるのウザいから、今日は静かで良かった」


「ちょっと、そんな言い方…」


反論しようと思った時、颯己は味噌汁を作る手を止めた。