「俺だけの呼び方って何だかいいなと思って。はーちゃんを独り占めしてる感じがして嬉しいから」


そんな気持ちが隠されてたんだ。


朝の起床時や進路のこと、それに吉田くんから中学時代のエピソードを聞いた時も思ったけど……


いつもどんな時でも、颯己は私のことを大切に想ってくれているんだね。


いっぱい“好き”の気持ちが伝わってきて、照れくさくてくすぐったい感覚だけどとても嬉しい。


口元を緩ませると、颯己は私の耳の傍に顔を近付けてきた。


「早く家に帰って、さっきの続きをしよっか」


「さっき?」


「観覧車はあっという間だったからね。あれだけじゃ全然足りない」


「じゅ、充分すぎるぐらいだったと思うけど……」


最後の方なんて意識が溶けかけていたし。


「今日は特別な日なんだから、そんなに直ぐには終わらせないよ」


ソワソワしている私の顔を横から覗き込んだ颯己はニヤリと笑みを浮かべる。


「続きは俺の家で。ひとときじゃなくて甘い一夜を過ごそうね」


その言葉にボンッと爆発音を立てて顔が熱くなった。