アイツの溺愛には敵わない


人前でのキスは恥ずかしいから警戒していたのに。


隙をつかれるとは不覚。


「落ちてきた雪で唇が冷えたでしょ?だから温めようと思って」


温かいを通り越して熱くなっちゃったじゃない。


だけど、みんなツリーや雪を見るのに夢中で今の場面を見ていた人はいないみたい。


私は周りを見回しながら、ホッと胸を撫で下ろした。


クリスマスツリーを存分に見た後は、他のアトラクションへ。


ジェットコースターやメリーゴーランド、コーヒーカップなど、色んな乗り物を堪能した私と颯己。


楽しい時間は光のように速く過ぎていき、いつの間にかチケットに記載の有効期限まで30分をきっていた。


「はーちゃんと遊園地で遊んでいると、いつも以上に時間が経つのが早いね。3時間なんてあっという間」


「そうだね。もう帰る時間かぁ」


「まだ終わったわけじゃないよ。ほら、最後にアレに乗らないと」


颯己が指差したのは観覧車。


この遊園地に遊びに来た時は、いつも決まって最後に行くアトラクションだ。