アイツの溺愛には敵わない


「閉園後も遊園地への感謝の声がたくさん寄せられたらしくて、運営会社が何か出来ないかって企画したのがクリスマスの遊園地無料開放ってわけ」


「えっ、無料で遊べるの!?」


「うん。だから半年ぐらい前に抽選があったんだよ」


あっ、そう言えば……


当時、新聞にその記事が載ってたらしくて、お父さんが朝食の時に話していたことがあったっけ。


確か12月24日と25日の2日間だけ無料開放。


定員も少なめだから、かなりの倍率だったとか。


「颯己、応募してたんだ」


「はーちゃんと初めて遊びに来た思い出の場所だから、もう一度…一緒に来たかったんだ」


「でも、あの頃の私は颯己と距離を取ってたでしょ。当選したとしても一緒に行けるかどうか分からなかったのに……」


「そういう未来を予想して弱腰になるぐらいなら、遊園地に二人で行ける未来を目指して絶対に振り向かせようと思ってたから」


颯己は私の手をギュッと握って、少し照れくさそうに笑った。