アイツの溺愛には敵わない


それから順調に毎日が過ぎていき、待ちに待ったクリスマスイブ当日。


終業式が終わって、お昼前に学校を出た私たち。


駅前のカフェでランチを食べた後、電車とバスを乗り継ぐこと約1時間。


「颯己が秘密にしてた場所って、ここだったんだ」


「懐かしいでしょ?」


顔を覗き込む颯己に頷いた。


やって来たのは小規模な遊園地。


私があのマンションに引っ越して以降、初めて颯己の家と合同で遊びに来た場所だ。


それからも、小学生の頃は年に数回は二家族で一緒に来ていたっけ。


最後にここに来たのは中1の夏休みだったな。


でも、この遊園地って確か今年の3月末に閉園したんじゃなかったっけ。


ニュースで報道されているのを見た気がする。


「今、どうして遊園地が営業してるのか不思議に思ってるでしょ?」


「うん」


「理由は、これ」


颯己が取り出したのは、“クリスマス限定プレミアムチケット”と書かれた遊園地のチケットだった。