アイツの溺愛には敵わない


「そっか」


どこに行くつもりなんだろう。


秘密って言われると、ますます知りたくなる。


「……気になる?」


「うん」


「それじゃあ、ヒントだけなら」


「いいの!?」


「もちろん。でも、その代わり対価は貰うけどね」


“えっ?”なんて疑問の声を発する間もなく颯己に唇を塞がれた。


「ちょ、ちょっと!外ではダメだって何度言えば……」


「ヒントは懐かしい場所。きっと、はーちゃんビックリすると思うよ」


ザックリし過ぎていて分からない。


だって、そのワードに該当するスポットって、いくつも心当たりがあるから。


思い浮かべた候補が多くて、特定するのは無理だと悟った私は、頭の片隅に追いやった。


当日まで気になる気持ちを抱えたまま過ごすしかないか。


……というか。


今のって、ただ単にキスしたかっただけなのでは?


ハッと気付いて颯己に視線を向けると、私の考えてることを察したのか、ニヤリと口角を上げて満足そうに笑った。


この肯定の笑みは間違いなく確信犯。


朝から心臓に多大な負荷をかけるのは止めて欲しい。


顔の火照りとドキドキは暫くおさまることがなかった。