アイツの溺愛には敵わない


翌朝。


「映結、おはよう。今日は起きるのが少し早いのね」


「うん!ほら、颯己を起こさなくちゃいけないから」


朝食の用意をしてくれているお母さんに笑顔で頷いた。


昨夜は早めに寝たこともあって、今日の体調は万全。


颯己に会えるのが嬉しくて、心が弾んでいる状態だ。


「映結ってば、同居が始まる前は颯己くんを起こすの面倒くさそうだったのにね。それだけ仲が深まったってことかしら」


フフッと微笑ましそうに笑うお母さんに、苦笑いを浮かべた。


あの時は颯己を避けてたから、義務的に起こしていたっけ。


毎朝、その作業が憂鬱だったな。


少し懐かしさを感じながら朝食を食べ終えて、部屋で身支度をしていると……


ピンポーン


インターホンの鳴る音が聞こえてきた。


この時間に誰か訪ねてくるなんて珍しいな。


「………」


もしかして……。


“いや、まさかね”なんて思いながらも、体は自然と玄関に向かっていた。