アイツの溺愛には敵わない


「颯己、今日の晩ご飯……私の家で食べていけば?」


思わず提案してみる。


なんとなく、お母さんもそのつもりで準備してそうな気がするんだよね。


「ありがとう。でも、明日の朝食に食べるものとか買って来ないといけないし、今日は自分の家で食べるよ」


「そ、そっか」


「ちなみに、はーちゃんのお母さんにも同じこと言われたから今の理由は伝えておいた」


「えっ、いつ?」


「15時のおやつにパウンドケーキを差し入れてくれたでしょ?その食器類を俺が返しに行った時」


そうだったのか。


やっぱり、お母さんも一緒に晩ご飯を食べるつもりでいたんだ。


「というわけだから、もう少ししたらスーパーに買い出しに行ってくるつもり」


「それなら私も一緒に行こうか?色々と買うものもあると思うし、一人よりも二人の方が…」


「ううん、俺一人で大丈夫だよ」


「でも……」


言葉を発した直後、急に立ちくらみがして体がふらつく。


颯己は、私が倒れないように背中に手を回して支えてくれた。