アイツの溺愛には敵わない


「はーちゃん、どうしたの?さっきから全く食事が進んでないね」


「ご、ごめん。ちょっと考え事してただけだから大丈夫!」


お茶碗を持ったまま、一口も食べないなんて心配になるよね…。


3人の視線が私に注がれる中、笑顔を作ってご飯を頬張った。


「じゃあ、映結。そういうことでお母さんとお父さんは差し入れ係を担当するけど、何か困ったことあったら助けるから言ってね」


「あ、うん……」


多分、私が考え事している間にやり取りされた会話の続きだろうな。


どういうことなのか全く分からないけど、なんとなく察しはつくから聞かないでおこう。


暗い気持ちのまま、晩ご飯を終えた後。


自分の部屋に入ろうとしたところで颯己に呼び止められた。


「ちょっとこっちに来て」


「うん」


隣の部屋のドアを開けて手招きをする彼の傍に近付く。


一緒に中に入ると、すぐにギュッと抱きしめられた。