アイツの溺愛には敵わない


「何かあったの?」


「今の電話、俺の家のリフォームをしてくれている会社の人からだったんだけど、明日で作業が終わるらしい」


「あ……」


「それに伴って、色々と説明や確認してもらいたいことがあるみたいでさ。明日の放課後は予定が空いてるかどうか聞かれてたんだ」


そっか。


颯己の家のリフォーム、3ヶ月ぐらいかかるって最初に言ってたもんね。


いつの間にかそんな時期になってたんだ。


「リフォーム終了だから、トランクルームに預けていた家財を家に戻さないと……」


「うん、そう……だよね」


「クリスマスは一緒に過ごしたいし、その後は冬休みだけど、海外にいる両親も帰って来そうだから早めに作業しておきたいんだ」


「となると、今週末しかないもんね…」


「俺から誘ったのに本当にごめん。そろそろリフォームが終わる時期だってこと、すっかり忘れてた」


「デートのことは気にしないで?その代わりに、また家財の移動作業を手伝っていい?」


「もちろん。ありがとう、はーちゃん」


申し訳なさそうな表情の颯己に笑顔を向けたものの、心の中は灰色の霧がかかっていた。


颯己との同居生活。


もうすぐ終わっちゃうんだ……。