アイツの溺愛には敵わない


「イブじゃダメかな?」


少し不安げな表情で私の顔を覗き込む颯己に、慌てて首を横に振った。


「ううん、いいよ!私は一緒に時間を過ごせるなら、いつでも大丈夫だから」


「ありがとう。じゃあ24日に決定ね」


声を軽やかに弾ませる颯己に笑みが零れる。


来週のクリスマスイブは、終業式が終わったら放課後デートかぁ。


その前に、今週末には颯己とのショッピングデートも控えているんだよね。


楽しみなことがいっぱいで嬉しいな。


この先の予定に心を踊らせていた時だった。



「あ、電話だ。ちょっと出てもいい?」


突然、制服のポケットからスマホを取り出した颯己。


私が頷くと、歩道の端に寄って会話をし始めた。


「……はい、そうです」


「明日ですね、大丈夫です」


「分かりました、ありがとうございます」


話し方からして、友達とか両親ではなさそう。


誰なんだろう?


不思議に思っていると、通話を終えた颯己は表情を曇らせた。


「はーちゃん、ごめん。今週末のデート、中止にしてもいい?」