「そんなに驚くことないでしょ?俺とはーちゃん、一緒に泊まったことあるんだし」
「それって、小学生の時の合同家族旅行のことだよね?宿泊した温泉宿は部屋が隣同士なだけで同じ部屋じゃなかったでしょ」
「俺と同室はイヤ?」
「そっ、そういうわけじゃないけどさ。颯己と一緒に外泊となると凄く緊張する」
同じ屋根の下に住んでる今だって、寝る時は違う部屋なのに。
日中も近距離になるとドキドキしているような私が、颯己と一夜を過ごすとか……。
考えるだけでも鼓動が加速するんですけど。
「……はーちゃん、変わったよね」
「な、何が?」
「以前のはーちゃんなら“泊まりで行くなんて楽しそう”とか“どうせなら他の友達も誘ってみんなで行こうよ!”って言いそうじゃない?」
「まあ、確かに……」
颯己を避ける前の私だったら、そんな反応してたかも。
「家族のような幼なじみとしか見られてなかった俺が、今はちゃんと彼氏として、一人の男として意識してもらえてる」
「当たり前でしょ。好き…なんだから」
「うん。ふとした時に、はーちゃんの愛を感じられるのが堪らなく嬉しい」
喜びを噛みしめる颯己に、私の心臓は勢いよく跳ねた。

