アイツの溺愛には敵わない


「映結ちゃんの方から真浦くんにキスするっていうのはどうかな?」


「キスっ!?わわわ、私から!?」


動揺の色が見事に反映されて声が上擦る。


瞬く間に顔が熱くなるのを感じた。


その発想は頭になかった……。


確かに私の方からキスしたことは一度もないから、颯己はめちゃくちゃ驚きそう。


でも甘いキスを受け止めるのにいっぱいいっぱいな私が、自分から颯己にキスだなんて。


ちょっと……


いや、かなりハードルが高い。


大掛かりな事前準備はいらないけど、心の準備にかなりの時間を要する気がする。


まだ1ヶ月あるから大丈夫かな。


だけど、どんなに頭の中で妄想リハーサルをしたとしても、誕生日当日になったら緊張のあまりフリーズするかもしれない。


上手く出来るかどうか不安だ。


でも、きっと喜んでくれるはずだから挑戦したい。


成功するか失敗するかは私の勇気と頑張り次第だよね。


頭の中であれこれと考えを繰り広げていると、綾芽ちゃんは私の手をギュッと握った。